- デルタの次、ミューの次のギリシャ文字はなに?
- ギリシャ文字は何文字ある?
- ギリシャ文字一覧
- 日本で見かけるギリシャ文字
- A α alpha アルファ
- Β β Beta ベータ(ビータ)
- Γ γ Camma ガンマ
- Δ δ Delta デルタ
- Ε ε Epsilon エプシロン(イプシロン)
- Ζ ζ Zehta ゼータ(ジータ)
- Η η Eta エータ(イータ)
- Θ θ Theta シータ(テータ)
- Ι ι Iota イオタ(イオータ)
- Κ κ Kappa カッパ
- Λ λ Lambda ラムダ
- Μ μ Mu ミュー(ミー)
- Ν ν Nu ニュー(ニー)
- Ξ ξ Xi クサイ(クシー)
- Ο ο Omicron オミクロン
- Π π Pi パイ(ピー)
- Ρ ρ Rho ロー
- Σ σ Sigma シグマ
- Τ τ Tau タウ(タフ)
- Υ υ Upsilon ウプシロン(ユプシロン、イプシロン)
- Φ φ Phi ファイ(フィー)
- Χ χ Chi カイ(キー)
- Ψ ψ Psi プサイ(プシー)
- Ω ω Omega オメガ
デルタの次、ミューの次のギリシャ文字はなに?
日本でよく使われる言葉に「プラスアルファ」「ベータ版」などがありますが、α(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)、⊿(デルタ)以降はあまり知られていないのではないでしょうか?
数学や工業の世界では、λ(ラムダ)、π(パイ)、θ(シータ)、μ(ミュー)、Σ(シグマ)、タウ(τ)、φ(ファイ)、ωΩ(オメガ)が登場しますので、しっかり勉強されてきた方にはお馴染みです。
また、Ζ(ゼータ)、ν(ニュー)と聞くと、真っ先にモビルスーツが頭に思い浮かぶ人が多いのではないでしょうか。
ギリシャ文字は何文字ある?
アルファー、ベータがそのまま「アルファベット」という言葉の語源となっているギリシャ文字ですが、現代では24文字あります。実は英語のアルファベットの26文字よりも少し少ないのです。なので、何かの記号や順番の表記に英語のアルファベットの代わりに使用する場合は注意が必要です。以下のギリシャ文字一覧表をご覧いただくと、英語で言う「J」と「V」に対応する文字が見当たりません。
筆者も失敗談として、文書、書類、図面などの改訂履歴をA版から順に使用していってZ版まで使い切ってしまったけどどうしよう?・・・と次は名案と思い、α版から始めたものの後で気付いたら文字が足らなかったという経験をしました。また、タイトルの通り日本では一般的にギリシャ文字の順番を認識していないので、λ版(ラムダ版)とμ版(ミュー版)とでどちらが先でどちらが後かが分からない、κ版(カッパ版)とK版(ケイ版)を間違えるなどもありました。
ギリシャ文字一覧
順番 | 大文字 | 小文字 | 英語 | 対応英語 | カナ |
---|---|---|---|---|---|
1 | Α | α | alpha | A | アルファ |
2 | Β | β | Beta | B | ベータ(ビータ) |
3 | Γ | γ | Camma | G | ガンマ |
4 | Δ | δ | Delta | D | デルタ |
5 | Ε | ε | Epsilon | E | エプシロン(イプシロン) |
6 | Ζ | ζ | Zehta | Z | ゼータ(ジータ) |
7 | Η | η | Eta | H | エータ(イータ) |
8 | Θ | θ | Theta | Q | シータ(テータ) |
9 | Ι | ι | Iota | I | イオタ(イオータ) |
10 | Κ | κ | Kappa | K | カッパ |
11 | Λ | λ | Lambda | L | ラムダ |
12 | Μ | μ | Mu | M | ミュー(ミー) |
13 | Ν | ν | Nu | N | ニュー(ニー) |
14 | Ξ | ξ | Xi | X | クサイ(クシー) |
15 | Ο | ο | Omicron | O | オミクロン |
16 | Π | π | Pi | P | パイ(ピー) |
17 | Ρ | ρ | Rho | R | ロー |
18 | Σ | σ(ς) | Sigma | S | シグマ |
19 | Τ | τ | Tau | T | タウ(タフ) |
20 | Υ | υ | Upsilon | U | ウプシロン(ユプシロン、イプシロン) |
21 | Φ | φ | Phi | F | ファイ(フィー) |
22 | Χ | χ | Chi | C | カイ(キー) |
23 | Ψ | ψ | Psi | Y | プサイ(プシー) |
24 | Ω | ω | Omega | W | オメガ |
日本で見かけるギリシャ文字
A α alpha アルファ
冒頭のプラスアルファや脳波のα波など
Β β Beta ベータ(ビータ)
ソフトウェアの世界ではβ版などとして使われます。実はα版という言葉も存在します。ソフトの世界では取りあえず動作する状態まで持っていくのが大きな仕事の区切りではありますが、そこからソフトウェアの知識のない一般の方にも問題なく使用していただけるレベルまで持っていくのがまた更に大きな労力がかかります。まだまだ完璧ではないし未実装な部分も残っているけど、開発者のレベルでとりあえず仕事してくれる状態のものをα版。そこから進んで、まだバグが残っているかも知れないので正規版ではないが、一般の人が使用できるレベルのものをβ版。「これまだベータ版なので・・・」という使われ方で、もし不具合があればフィードバックをもらって完成させていくというものです。
Γ γ Camma ガンマ
レントゲン撮影などの放射線を利用したものにはX線が有名ですが、他にも用途に合わせてベータ線、ガンマ線も使用されます。
また、ガンマというと1983年に発売されたスズキのオートバイ、ガンマを思い出す方も多いかと思います。非常に人気車でしたが残念ながら1998年に絶版車となってしまいました。
スズキ (SUZUKI) RG250ガンマ | RG250ΓヤマハRZ250(1980年)の登場が、2スト人気を復活させた中に、スズキが送り込んだのが、RG250ガンマ(1983年)だった。247ccの水冷2スト並列2気筒エンジンを、市販車初のアルミニウムフレームに搭載し、ハーフカウルや、フロントフォークにアンチノーズダイブ機構(ブレーキング時に車体を安定させる仕組み。80年代...
Δ δ Delta デルタ
大文字が三角形であることから、三角のことをデルタゾーン、デルタ地帯などと呼ばれます。
また、数学の微分積分で使用されています。微分積分などと聞くと拒否反応が出る方もみえるかも知れませんので簡単に説明させていただきます。微分とは全体を微細に分解していき、そのパーツを取り扱っていくことであり、積分とはその一つ一つの微細なパーツを積み上げて全体を取り扱うことであり、ひいてはアナログのものをデジタルな世界へと変換していくことに繋がっていきます。デルタとはその微細な「ちょっと」という意味で使用されています。
新型コロナウイルスが世界中に蔓延し、デルタ株という言葉が多く使用されました。
Ε ε Epsilon エプシロン(イプシロン)
デルタΔの次はエプシロン(イプシロン)になります。
アメリカのNASAは世界的に有名ですが、日本の宇宙開発を担っているJAXA(宇宙航空研究開発機構、Japan Aerospace Exploration Agency)で開発されているロケットにイプシロンロケットがあります。JAXAではギリシャ文字からロケットの名前を取っており、カタカナではイプシロンとされますが、エプシロンのことです。イプシロンロケットは宇宙というものをこれまでより身近にしようと、打ち上げを極力コンパクトにしたいというコンセプトのもと開発されています。
他には、川崎重工の大型スクーターエプシロンなど、イプシロンとあわせて商品名に使用されています。
カワサキ (KAWASAKI) エプシロン250 | EPSILON 250スズキのスカイウェイブ250タイプSを、OEM(Original Equipment Manufacturing)によってカワサキが販売したビッグスクーター。登場した2002年といえば、ビッグスクーターのブームが最盛期を迎えようとしていた時期だけに、スクーターモデルを生産していないカワサキにとっては、ラインナップに加え...
後は電気の世界では誘電率の記号として使用します。
Ζ ζ Zehta ゼータ(ジータ)
ζ(s) = 1/1^s + 1/2^s + 1/3^s + ・・・と定義されるゼータ関数というものがあります。
(1のS乗分の1) + (2のS乗分の1) + (3のS乗分の1) + ・・・
※S > 1
と言うよりも、ゼータといえばもうZガンダム以外頭に浮かびません。
Η η Eta エータ(イータ)
エータ(イータ)は日本ではあまり使われているところを目にしませんが、数学でパラメータの文字として、物理系工業系ではエネルギー効率などの「効率」として使用されます。
Θ θ Theta シータ(テータ)
三角関数の角度として使用されます。三角関数ってあのサイン・コサイン・タンジェントのあれですね。sinθ、cosθ、tanθ、sin-1θ、cos-1θ、tan-1θ
Ι ι Iota イオタ(イオータ)
世界的に人気のスーパーカー、ランボルギーニ。その中でも特別なレアモデルがランボルギーニ・イオタ。非常に古い車ですが幻と言われています。
Κ κ Kappa カッパ
数学の曲率や物理で比熱で使用されます。日本でカッパと聞くとどうしても河童やカッパ(レインコート)を連想するので、それらに関係ない場合は、商品名や社名、屋号などには使いにくいかも知れません。また、「K」、「k」と表記されていると通常は「カッパ」とは読んでもらえず「ケイ」としか読んでもらえないことも使われにくい理由でしょう。
Λ λ Lambda ラムダ
数学のベクトル関連で固有値として、他には波長や弾性率、熱伝導率のところで使用されます。
Μ μ Mu ミュー(ミー)
一番馴染みがあるのがマイクロ。m(ミリ)は1/1000ですが、これでは表しきれない更に小さい桁を取り扱うために使われます。
10x | 桁 | 記号 | 読み方 |
---|---|---|---|
1015 | 1,000,000,000,000,000 | P | ペタ |
1012 | 1,000,000,000,000 | T | テラ |
109 | 1,000,000,000 | G | ギガ |
106 | 1,000,000 | M | メガ |
103 | 1,000 | k | キロ |
10-3 | 1/1,000 | m | ミリ |
10-6 | 1/1,000,000 | μ | マイクロ |
10-9 | 1/1,000,000,000 | n | ナノ |
10-12 | 1/1,000,000,000,000 | p | ピコ |
10-15 | 1/1,000,000,000,000,000 | f | フェムト |
その他では物理の力学で出てくる摩擦係数ですね。
Ν ν Nu ニュー(ニー)
筆者は工学系電気系出身なので、周波数(振動数)などでも見たことありますが、マニアックな世界ですね。
これも何と言っても映画「逆襲のシャア」に登場するνガンダムが日本のみならず世界的に有名ですね。
Ξ ξ Xi クサイ(クシー)
数学で変数として使われたり、物理では振動の変位で出てきます。
なかなか使われないマニアックな文字でしたが、こちらもまたまたガンダムの名前で使用されました。映画「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」にてΞ(クスィー)ガンダムが登場します。ガンダムの世界ではギリシャ文字を使う事が多いようです。
Ο ο Omicron オミクロン
ランダウの記号
Π π Pi パイ(ピー)
円周率
Ρ ρ Rho ロー
密度や電気の分野で抵抗率で使用します。
Σ σ Sigma シグマ
大文字のΣシグマを数列の和として、また標準偏差では小文字のσシグマを使用します。
他では電気の導電率として見ることがあります。
Τ τ Tau タウ(タフ)
電気の分野では、過渡現象のところの時定数として扱います。過渡現象とは電圧や電流などの物理量が変化している状態を過渡状態といい、変化が終了して安定してきて一定の状態になった時を定常状態といいます。その過渡状態で扱うのが時定数です。
Υ υ Upsilon ウプシロン(ユプシロン、イプシロン)
Φ φ Phi ファイ(フィー)
工業関係では図面上などで頭にφを付けて、これは長さではなく直径ですよ。という表記をします。最近の3DのCADソフトなどは別ですが、図面は通常平面で表します。そこに記載される寸法線にφ100とあれば直径が100(mm)といった具合です。ただ、技術系の方や職人さんたちはφ100を「ファイひゃく」とは言わず、「ひゃくパイ」と呼びます。
Χ χ Chi カイ(キー)
統計でのカイ2乗分布
[物理] 磁化率
Ψ ψ Psi プサイ(プシー)
量子力学での波動関数
Ω ω Omega オメガ
小文字のωオメガは電気の分野で電気抵抗にあたるインピーダンスの計算の際に用いられます。
また、大文字のΩオメガは電気抵抗の単位オームの記号として使われます。
物理では角速度や角周波数
一般的にはオメガといえば高級時計ブランドですね。